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[专题讨论] 【开发秘话】世嘉上海移植PS2版NiGHTS into Dreams...的噩梦史【求翻译】



2006年初至2008年初,世嘉(上海)软件有限公司,耗费2年时间,投入最大的人力物力,突破重重困境,
终于完成了PS2版NiGHTS into Dreams...(原作SS版的强化移植版)

以下分别是监制 内田誠,创意监制 奥成洋輔,导演 李舒僑 在开发完成后的感言




监制 内田誠的号泣

ナイツ~come out of bad dream…~

PS2版『NiGHTS』プロデューサー 内田誠(セガスタジオCHINA)


   ~今から2年前(2006年2月)~
「SEGA AGES2500 ダイナマイト刑事」が完成間近となり、次の仕事を何にしようか奥成Pと検討開始。
刑事の出来がなかなか良かった為、「難易度高いですけどナイツやれませんか」と言いだす奥成P。我々自身にとっても「やりがいのある」タイトルだ。
個人的に調べてみると“たのみこむ”などでのリクエストもとても多い。
あまりの難易度の高さに日本の開発会社では採算が合わない、我々がやらねば世に出ることは無いだろう。そう思うと何やら責任感さえ湧いてしまい、結局承諾した。
この時点で「2006年中に出してくれれば10周年です」と飯塚Pに言われるが、奥成Pと苦笑いでスルーだ。

~作業開始から1ヶ月~
当時の上司でありナイツの生みの親でもあるN氏から「ほんとに上海チームでできるの?全部アセンブラ言語で組んであるし、しかもサターンのツインCPUをフルに使いまくっているよ。」と嫌味を言われるも、「まあ見てて下さい」と豪語しつつ説得。
これが自らを背水の陣に追い込むことになる。
SS版ソースは有った物の、元の絵のデータは全滅だし、クリスマスナイツのソースは行方不明。いきなり見通しは暗い。
ムービーは高画質データが現存せず。それならもう一度レンダリングし直そうとデータを集めるも元素材が不完全、一部の足りない部分は目コピーで作り直しが確定。

これが結構大変な作業で、上海スタジオの赤字仕事も確定。
それでも「やりがいのある」仕事なので、そこは上司に内緒でGO!
サウンドは幡谷氏が全面協力を申し出る。本人かなりやる気のよう。ただし忙しいので本格作業は6月からだ。

~作業開始から2ヶ月~
セガの販売目標が○万本と設定され、予算もちょっと増えて上海スタジオは赤字回避。
飯塚Pが手掛ける新作とのコラボも視野に入れ、2007年春にPS2版でナイツ認知度アップ、年末に新作でビッグヒットという戦略が組まれる。
上海チームはかつて無い興奮に沸きあがる。
ダイナマイト刑事とはえらい扱いの違いだ。

~作業開始から4ヶ月~
アセンブラ解析チームの作業の進み具合がどうも怪しい。
4人がかりでやっていたのだが、調べてみると、どうもできているようで、できていないっぽい。
それを追及中、我々に激震が走った。
『メインプログラマー4名中、3名が辞職願を同時に提出』
それはもろにヘッドハンティングだった。
米国で壮絶なバトルをしてセガを叩きのめしたあの○A社が、ここ上海でも我々にキバを剥いて来たのだ。
もちろん彼らの仕事は中途半端な状態で投げ出され、内容が内容だけにとても引き継げるような物ではなく、ナイツプロジェクトはここに来て死亡寸前の危機に陥ってしまった。
我々上海チームの顔色は、淀んだ上海の空のような灰色だ。

~作業開始から5ヶ月~
この時点でナイツは本当に into dreams…だった。
しかし私の長いゲーム開発経験の唯一の自慢は、一旦開発を始めておきながら完成に至らなかったゲームは一つも無い事。(売れる売れないは別としてね)
この程度の事で諦めるほど往生際はよくない。それにここでやめたらセガ上海に大きな汚名が残ってしまうし、ナイツが復活出来ずに“たのみこむ”の書き込みも増えてしまう。
私はその時点で最大の技能を持つ中国人プログラマーと、最もあてになる日本人プログラマーO氏に「今すぐやっている仕事を切り上げてナイツを担当してくれ」と指令を出した。
これはまさにお願いではなく指令。お願いでは引き受けられる難易度ではない。
「その代わりスケジュールだけは君らの言うとおりにするから」と説得し、彼らは仕方なく実現性の見積もりだけは開始してくれた。
こうしてボロボロの中からも「使えるかけら」を拾い集める作業が開始された。

~作業開始から6ヶ月~
私は今回のヘッドハント劇とその影響を奥成Pに説明しなければならなかった。
気が重い話を淡々と伝え、どれくらいの遅れが出るかは見積もり次第だと告げる。しかも見積もりに数ヶ月かかるとも伝えた。
絶望的な内容と私のカラ元気を受話器越しに察し、しかして懐の広い奥成Pはこう言ってくれた。
「スケジュールの遅れは構いません、正直なところを出してください。ただし、予算は増えない方向で。」
いろんな意味でありがたい言葉だ。
私はスタッフにこれを伝え、日本側は我々の努力を汲んでくれるから根性を見せてくれとハッパをかけた。
そうして開発チームは恐ろしい難易度のアセンブラとの格闘に再チャレンジし始めた。
後に奥成Pから「僕らのナイツはプロジェクトが小さすぎて気にされていないんですよ」と聞かされた気がするが、中国の安酒で二日酔いになった為かはっきり覚えていない。

~作業開始から7ヶ月~
開発スタッフがアセンブラの挙動を検証するためにどうしてもサターンの開発機材が必要だと言う。
サターンの開発機材といえばもう十年前の骨董品。使い方はおろか、どこにしまわれているかも不明だ。
大体見つかったとしても動く保障は全く無い。
探すことを渋る機材サポートチームを説得し、苦労の末やっと一台をレンタル倉庫の奥から発見した。
大喜びもつかの間、これを動かすためにはこれまた骨董品のPC(旧PCIスロット付き)が必要と言うことになった。
こちらも手を尽くして社内中を探し、何とか個人の所有物を発見。
機材サポートチームを拝み倒し、ボランティア仕事でサターン開発機が繋がって動くところまで組み上げてもらう。
なんとも涙ぐましい努力の末に、やっとサターン開発環境はここに復元された。
ここまで余裕で数ヶ月が消費され、さらに輸出関係ですったもんだした挙句、やっと上海に届くことになる。
しかしこれが後のナイツの再現性を高める原動力となるのだった。

~作業開始から9ヶ月~
アセンブラ解析チームの見積もりが終了した。
その結果は耳を疑う恐ろしいものであり、我々の全てが凍りつき、そして恐怖した。
「このままアセンブラ解析を続けての製作では、今から2年かかっても完成しません」

・・・・・・・・・アア・・・・・・・・・ナイツ・・・・・・・・

ああ、ナイツ。
なんという偉大なゲームであろう。
我々を苦しめて、どん底にたたきつけて、それでも立ち上がろうとする心を「これでもか」と踏みつけてくれる。
N氏の魂が籠められたゲームには、それに触れるものを容赦なく苦境に陥れるという伝説は本当だったのか。
しかし私は言わねばならない。
その責任を持ったヒトとして言わねばならない。
「で、完成させるにはどうすればいいの?」
一同はさらに凍りつくしかなかった。



~作業開始から10ヶ月~
再びナイツはinto dreams…となっていた。
ここが私にとっての最大の山場だった。
開発チームは「アセンブラ解析はある程度に抑え、残りは目コピー」が最良の答えと言う。
しかしナイツは半端な規模のゲームではない。
全てを一から作るとなると、しかもサターンモードと両方を作るとなると、絵の作業だけでも莫大な量となるのはもちろん、アセンブラで書かれたソースコードの量も尋常ではない。いったい何人がかりでどのくらいの労力が詰め込まれているのか見当も付かない。しかもあのナイツファンを納得させる移植レベルが必須。
私はゲーム作りの素人ではないから、その作業が絵に描いた餅に感じるくらいの巨大さであることがはっきり認識できていた。
さらに問題は期間と予算。
いくら中国人スタッフの人件費が安いと言ってもタダではないし、当初予定の締め切りまでは、半年しか残っていない。
この作業をするのにどれほどの費用がかかるのか、どれほどの時間がかかるのか、ひたすらに気が遠くなってゆく。
「やめるという選択肢は無いのですか?」一人のスタッフから声が上がる。
ああ、その言葉のなんと甘く心地よい響きであることか。
それが最も楽であり、この苦しみから開放される近道であることは言われるまでも無く解っている。
そう、解っているのだよ。
でも私には選べないのだよ。
何故だか解らないけど、選べないのだよ。
「・・やる。・・・やると言ったらやる。・・とりあえずどうにかするぞ。」
私に残されていたのは、もうからっぽの言葉だけだった。

~作業開始から11ヶ月~
大幅な開発方針の変更と、チーム編成のやり直し。
作業仕様の切り直しとスケジュールの組み直しを一気に推し進めた。
チームはこの時点で社内に余っているプログラマーを全員投入した。
余っていない者も投入した。
おかげで他のプロジェクトはプログラマーが居なくてスカスカだ。
デザイナーも大人数で一気に進めることにした。
ちょうど刑事EXのチームが空いたところだったので、10人全員をそのままつっこんだ。
サターンモードの担当とブランニューモードの担当が、それぞれの背景とモデルを流れ作業のようにバリバリ作り上げてゆく。
こういった仕事は上海チームに向いている。仕事の速さがそのまま能力と見る文化的背景があるのだ。
予算オーバーはこの際もう見ない。
とりあえずスケジュールだけを重視して、でもクオリティを妥協しないという、恐ろしいやっつけ仕事に突入した。
何故だろう、もう怖い物はなくなっていた。
出来る出来ないよりも、「やる」という意識しかなくなっていて、迷いはすっかり消えていた。
メンバー達もその言葉の通り、ひたすら「やる」だけになっていた。
みんななんだか「やれそう」な気がしてきていた。

~作業開始から12ヶ月~
ここにきて日本人プログラマーO氏が悲鳴を上げた。
こんなに大きな背景では、1ステージ分すらPS2のメモリーに入りきらないと言うのだ。
サターンのナイツでは、背景情報を升目に区切った座標の高さ情報だけで構成するという、恐ろしい圧縮方法を取っていた。
恐らくサターンのちっちゃなメモリーの中で広大な背景を作り出すために考え出した天才の発想だろう。
しかもせっかく輸入したサターン開発機は寿命間近でしょっちゅう再起動、その上1台しかないからツインCPUの両方をデバッグできず、高度なプログラムはアルゴリズムが途中までしか追えない。
彼の悲鳴と苦悩は毎日のように続いていた。
私にはカップ麺の差し入れくらいしか出来ないが、なぜか私が差し入れる日本製のカップ麺は彼の机に次々と山と積まれ、その下で机に突っ伏して昼休みを寝て過ごしている。カップ麺すら食べる暇が無いのか・・・
この後もこうした先人の恐ろしい知恵や機材の不具合とO氏の格闘は続いてゆき、彼の超人的な活躍によって不可能を可能に変えてゆくことになる。
そんな中、幡谷氏から曲と効果音が届き始める。
幡谷氏の魂のこもった懐かしいナイツの曲がやっとPS2から流れ始めた。
それによって我々の意識は「やれそう」から「出来そう」に劇的に変わってゆくのだった。

~作業開始から14ヶ月~
いよいよリリースを視野に入れた作業が増えてきて、細かな仕様合わせが山となって私と李Dにのしかかってきていた。
そんな時に日本から高橋Dが上海に赴任して来てくれた。
これ幸いとばかりに、私は彼にナイツの総指揮を任せることにする。
これがナイツにとっての爆発的な好材料であることは言うまでもない。
このころからサターン版の詳細な仕様との刷り合わせが佳境に入っており、そうした作業はやはり日本人の重箱の隅をつつくような目線が必須。
彼はその光る眼鏡の奥から鋭い目線を走らせ、次々とアラを探し出してくれるのだった。
強力な助っ人を手に入れ、ナイツチームはいよいよ最後の難関に立ち向かう事になる。

~作業開始から16ヶ月~
開発開始の当初より、最も難関であろうと予想されていた難物が、この時点でも残されていた。
そう、A-LIFEである。
この「人工知能」様は仕様書とプログラムが一致しておらず、開発した本人も「プログラムの中身が正しい仕様です」という代物。
殆ど思いつきでどんどん仕様を付け足されている、アルゴリズムのフランケンシュタイン状態だった。
そのフランケンシュタインがアセンブラ言語で組まれている訳だから、これはもう笑うしかない。
それもゲームの本流ではないのに、やたらとファンの記憶に残っていて、謎だらけな所を是が非でも再現せねばならないという使命があるから、ヘッドハントが無くても逃げ出したくなる。
もう担当者は必死でアセンブラ言語と格闘し、ひたすらオリジナルコードが何をやっているかを解析し、一つ一つ再現してゆくほか無かった。
この「人工知能」様は最後の最後までバグをだしまくり、細かなオリジナルとの違いを高橋Dと奥成Pから指摘され続け、担当者は悪夢にまで見ながらこのチマチマした生き物の再現に力を尽くした。
この中国の人にしてはなかなか粘り強い仕事のおかげで、なんとか満足の行くA-LIFE君が完成する運びとなった。

そしてもう一つの難関が、ナイツの挙動である。
何と言ってもナイツの挙動こそがこのゲームの全てであるといっても過言ではない。そんなことは言われなくても誰もが解っているのだ。
専属のプログラマーはナイツの挙動再現だけを半年間ずっと続けていて、もう限界に近いところまで来ていたのだが、やはり奥成Pも飯塚Pも我々のナイツの挙動には全く納得してくれなかった。
高橋Dも李Dも毎晩深夜までひたすらナイツの操作感をサターンと比較して改善策を探している。
サターン開発機も最後の奉公とばかりに、何度も死にながら24時間フル回転で、ナイツの再現に力を貸してくれている。
マスターアップの締め切りも近づき、皆が灰色になって力尽きる頃、それは完成した。
同時にクリスマスナイツが完成し、私はその両方の披露を同時に受けた。

感無量だった。

スムーズで迷いの無い操作感。PS2コントローラーに限界まで最適化された感触。そして何よりクリスマスナイツの驚くほどの美しさと相まって、もう感涙するしかなかった。
自分で操作していても他の人のプレイを見ていても、なぜかジーンとしてくるこのゲーム。
これなら大丈夫だ、誰もが満足してくれるに違いない。
あとはもう、完成に向けて仕上げるだけだ。

~作業開始から24ヶ月~
このあと結局発売までは、非常に長い期間がかかってしまう。
販売戦略に変更が入り、新作の後に売られることになった為だ。
「なぜ新作が先で、リメイクは後?」と誰もが不思議に思うだろうが、それは我々の作業の遅れが大きな要因なんじゃないかと思っている。
そこを世の中から指摘されることは、この発売日を聞いたときに解っていた。
しかしそんな事は我々にはもう気にならない。
我々が気になるのは、遊んだお客さんが満足してくれるかどうかだけだから。
その為だけにこんなに無理して続けてきた
こんなにも苦労を重ねてきた
こんなにも血のにじむ思いに耐えてきた
その成果がいよいよ試される時が来る。
幸いなことに絵本が付いた「ナイトピア・ドリームパック」は予約が好調。
加えてセガダイレクトのオリジナル商品のサントラも、恐ろしいことに売り切れ。
ナイツファンのディープさに震えが走る。
あとは発売後のユーザーの声だけ、これだけは我々の仕事に全ての責任がかかっている。
糸が張り詰めたような緊張の中、発売のカウントダウンに入っていた。

~発売~
2008年2月21日、いよいよその時が来た。
固唾を呑んで見守っていた我々の元に、販売状況とユーザーの反応が届き始める。
販売数は予測を少し下回るものの、お客さんの反応はすこぶる良い。
おりしもサッカーの16文キックやギョーザ事件の直後だったため、中にはエンディングテロップで上海チームの仕事だと知ったときに思うところのあった人も居たはずだ。
しかし評判はすこぶるよろしい。
そして我々と同じように、プレイしながら落涙する者も少なくないとのことだ。
この瞬間、全ての苦労が報われた思いで私たちは満たされた。
このナイツの挙動と再現されたグラフィック、ブランニューより大変だったサターンモード、見るのも嫌になったA-Life、そしてソースも無かったクリスマスナイツ。

それら全てが意義のある仕事として認められ、ユーザーから喜ばれている。
それこそが私たちの最も欲しかった宝物だ。
恐らく同じ気持ちであろう奥成Pが、早速連絡してくるとこう言った。
「さて、次は何をやりましょうかね?」
おい待て、ちょっと待て、今はこの満足感に浸らせておいてくれ。
とりあえず「電波状態が悪くて聞こえませーん」でスルーしておき、会社の玄関に向かう。
そこには私が特別にお願いして作った、常にクリスマスのまま動き続けるナイツのデモ機が置かれている。
誰もプレイしていなくとも、あのカラフルな画面にわくわくさせるクリスマスソングが流れ続ける。
私はこれをセガ上海の代表作として、会社の入り口で長く動かし続けようと決めているのだった。

~追記~
A-LIFEに関する当時の開発者との質疑が面白いので、ちょっとだけ紹介

Q.1ステージにスーパーピアンは2匹作れるか
A.見たこと無いけど、可能だと思う。

Q.クリスマスナイツでもスーパーピアンは作れるか
A.見たこと無いけど、作れるはず。

Q.ピアンタワーもクリスマス仕様?
A.覚えていない。クリスマスツリーにしてたかも。

Q.ナイトピアンコレクションでスーパーピアンはどちらに分類?
A.覚えていない。どちらかといえば「ピアン」ではないか。

Q.ゲーム中のピアンとナイトピアンコレクションのピアンは何故違っている?
A.バグです。直してください。


创意监制 奥成洋輔

PS2版『NiGHTS』クリエイティブプロデューサー 奥成洋輔
(国内渉外部)

 ナイツに初めて出会ったのは、キャラクターデザイン担当の大島さんから貰った年賀状でした。 ハガキの隅に小さくナイツの原形らしきキャラクターの顔が描かれていたのです。サターンが発売された直後、1995年のことでした。

 前年、大島さん制作の格闘アクションに見習いプランナーとして参加していた私は、そのプロジェクト中止と共に職を失っていたのですが、この絵が導いたのかその後パブリシティなどの仕事で『ナイツ』にも参加することに。
 飯塚Pへ編集者のように張り付いたり、中さんに怒鳴られたりと開発に張りついていました。その中でも印象に残る思い出をひとつ。

 初めてナイツの紫色のカラーリングを見て、その色使いに特別な印象を持った人は多いのではないでしょうか。この「紫色」というのはひとつの挑戦でした。
 紫というのは非常に使うのが難しい色で、一般的に「好きな色」のアンケートをとっても紫がランクインすることはまずないと思います。でもそれをわかっていながらスタッフはあえて難しい「紫」を選びました。
 紫の色味には非常に細やかな調整を続けていて、店頭ポスターや雑誌の表紙などを作る際には、その発色を何度も調整したのを覚えています。
 初めての3Dゲーム制作、「夢の世界」を表現するといった、開発チームのさまざまな挑戦の1つがこの「紫色」だと思います。その結果、恐らく世界でも珍しい、紫色の主人公が誕生したのです。

 その後『クリスマスナイツ』が作られることになり、真っ赤になったナイツが登場しました。私は調子に乗って「みんながクリスマスナイツはかわいいって言ってます。こんなに評判良いなら、もし最初からナイツが赤かったら、さらに人気が出てたかもしれないですね!」などと口走りました。
 この失礼な若造の言動に、大島さんが平然と答えてくれました。「そんなの当たり前だよ。だって赤は一番人気のある色。みんな赤が大好きなんだ。だから赤を使ったキャラは世の中にいっぱいいるだろう? なのに赤を使うなんてちっとも面白くないじゃないか」
 そしてもう一言付け加えてくれました。「でも今回はクリスマスなんだから特別。クリスマスは楽しまなくっちゃね」

 開発というのは常に挑戦であるということを教えてくれた、そんな現場のことを、ナイツで空を飛びながら思い出していました。

 これまでさまざまな過去タイトルを移植してきた私にとっても、『ナイツ』の移植はひとつの目標であり、使命のようなものでした。移植希望のアンケートや、会社宛のお客様へのお便りをチェックすると必ずそこにあるのは『ナイツ』です。移植希望は途切れることがありませんでした。途中さまざまなことがあったので(詳しくは内田Pの思い出を)、今回無事に発売できて本当にほっとしています。

 開発スケジュール変更のどさくさにかこつけて、一旦は諦めていた(『クリスマスナイツ』にあった)カレンダー機能を、完成間際の土弾場でゴネて追加させ上海スタッフを苦しめたり、休日出勤して働いてくれたチェックスタッフに「ピアンタワーが完成するまでは帰れないよねえ」とイジワルを言ってみたり、今回もスタッフにワガママばかり言ってしまいましたが、結果として皆さんの手にしたこのソフトが、10年前の楽しい思い出を呼び起こすきっかけになっていますように。
 そしてあなたの次に手にしたセガのゲームが、10年後も思い出に残るソフトでありますように。

 

 昨年12月から続けてきました、「ナイツとの思い出」の連載も、今回で最後となります。長らくご愛読ありがとうございました。


导演 李舒僑(技术总监)

PS2版『NiGHTS』ディレクター 李舒僑(Li ShuQiao)
(セガスタジオCHINA)

 「ナイツって、まさかあの空を飛ぶナイツかな」そう思いながら、PS2ナイツプロジェクトの初めてのミーティングに参加することになりました。部長の内田から自分にこのプロジェクトの企画をしてもらいたいと聞いた時に正直、何故かよくわからなかったですが、興奮してしまいました。

 ナイツの発売時期にゲームのやり込みはやっていなかったのですが、音楽が非常に名作であることは覚えていて、発売後の数年間、わざわざサントラを探し出して聴くことがよくありました。今回は自分自身でナイツの開発に参加するのは本当に嬉しかったです。

 しかし ナイツの開発過程は思ったのと違ってそう簡単ではありませんでした。アセンブラを解析するのに苦労したプログラマー達、グラフィックの再現を悩んでいたデザイナー達。技術面と同じく、企画のほうも大変でした。それについて皆様と一緒に分かち合いましょう。

 まずはジャックルステージですね。トランプの絵柄で組み合わせた地面が面白いでしょう。
それを再現するのはかなり難しかったです。元の"ソース"(ソースプログラム。ソフトの設計図のようなもの)が不完全なので、サターン版の実際の画面を見ながら、その絵柄の方向と角度をそのままコピーするしかなかったです。さらにゲームのカメラは自由に動かせないため、全角度から地面の様子を見ることができません。そういう状況で企画の方はスクリーンショット約100枚を撮って、それを参照しながらやっと組み合わせました。

 もう一例挙げますと、クリスマスモードのアイテム配置です。開発の途中段階にクリスマスナイツも追加することになりました。それもソースなしの状況で!
「え?テクスチャはどうしよう?エリオットステージのアイテム配置は?」
まず私が思ったのはこれでした。最初は、テキストでアイテムの属性と座標を編集するという形で進んでいましたが、なかなか難航しましたね。効率的にも非常に悪いし、最終的に画面を確認した時、オリジナルと比べてアイテムの位置も全然似ていません。「このままではきっとユーザーたちに突っ込まれますよ」とギミック担当のプログラマーと相談して、実機で配置できるツールを作ってもらいました。そうした経緯で今回のクリスマスステージのアイテムはほぼ企画の手作業で配置されたものです。皆様ぜひお楽しみくださいね。

 今回のリメイク作業で企画にとって一番難しいのはやはりA-lifeですね。もともと人工生命というコンセプトで作られたナイトピアンはまるで自分の考えを持つ可愛い子どもです。そのシステムの再現と確認は企画の方で非常に長い時間のプレイが必要でした。その過程で私もいつしかA-lifeにハマってしまいました。これは本当に面白いです。当時の開発者もすごいと思います。

 PS2のナイツの開発は楽ではなかったですが、楽しかったです。私にとっても非常にいい思い出になると思います。ナイツはずっと皆様の夢にいると同じように、ナイツはいつも私の心にいるのです。




2ch回复

29 :名無しさん必死だな :2012/07/06(金) 17:48:39.78 ID:78y3uuvY0
    >21
    泣いた。




128 :名無しさん必死だな :2012/07/11(水) 05:46:04.66 ID:c4RnE54j0
    >>21
    当時のセガが変態技術屋集団で、
    セガ上海の頑張りがよく伝わるわ




71 :名無しさん必死だな :2012/07/06(金) 21:27:00.96 ID:3tCG9ptR0
    感動した




83 :名無しさん必死だな :2012/07/06(金) 22:25:27.81 ID9KRJ4ZKP
    すごいな。引っ張り出してやってみるか




41 :名無しさん必死だな :2012/07/06(金) 18:29:58.17 ID:T4JR39Xd0
    >>21にある様に往年のファンも高評価。

    Wii版がイカレタ内容だっただけに余計に良かった記憶がある。




77 :名無しさん必死だな :2012/07/06(金) 21:58:54.48 ID:gWKDxcfh0
    どうしてセガはソースちゃんと管理してないんだよwww
    VO4もソースなくて目コピしたとか言ってなかったっけ?




31 :名無しさん必死だな :2012/07/06(金) 17:53:58.89 ID:T4JR39Xd0
    凄い…凄まじい内容だな。
    SSが当時開発が非常に困難なハードとして嫌われていたのは知ってたが
    中裕二さんは異常な奴だったんだなやっぱ。

    SSであのソフト(+バーニングレンジャーも)は段違いのスペック叩き出してたからな。
    まぁバーニングレンジャーが2度と復活しそうに無い事は
    信じたくないが伝わってしまったよ。




330 :せがた七四郎 :2012/07/07(土) 06:10:11.67 ID:/ijJGkmC
    涙ぐましい努力の賜物なんだな。




331 :せがた七四郎 :2012/07/07(土) 06:48:56.31 ID:tpglDrRi
    PS2への移植版が出来たから、それを今世代機へ持ってきたのか。
    サターン版を1から移植するよりはその方がずっと楽だろうしな。
    ただ見る限りテクスチャの解像度がSDのままなのが残念。




338 :せがた七四郎 :2012/07/07(土) 09:49:33.37 ID:jOqbBolg
    アセンブラコードなんて、書いた人間しか読めないの多いからなあ。
    高級言語ですらコメント無いと意味不明だったりするし。




339 :せがた七四郎 :2012/07/07(土) 10:04:49.63 ID:aBdMBIYk
    PCなんだけど自分の知ってる事例だとCでコメントに「ここの部分は書き換えるな」
    と書いてあってその部分を見たら完全に文法を間違ってた。
    でもなぜかコンパイルは通ってしまう。
    ためしにそれを修正してみたらどう書いてもちゃんと動かなかったそうな。
    最初に作った人もなんでそうなるのか解らないけどそうしないと動かないから
    苦肉の策でその記述を残しコメントに手を付けるなと書いたんじゃないかと。

    サターンのソフトでそういうことってないとは思うけど人の書いたコードを
    読むのが苦手な俺としては大変な苦労なんじゃないかと思う。




340 :せがた七四郎 :2012/07/07(土) 10:41:13.93 ID:ldgFynrC
    機械は異常のないところは絶対にいじってはいけないというのは鉄則です(´・ω・`)




341 :せがた七四郎 :2012/07/07(土) 12:10:37.44 ID:vX4YxOeL
    なんかよくわからんけど不思議な副作用で成り立ってるんだな。
    良かれと思ってちょっと直したら動かなくなるとか。
    素人が中古本体のピックのお手入れしたら死んじゃったみたいな。




34 :名無しさん必死だな :2012/07/06(金) 17:59:51.45 ID:78y3uuvY0
    ていうか文才あるよなコレw

    開発ネタを出版すれば売れるで。




126 :名無しさん必死だな :2012/07/11(水) 04:14:03.29 ID:38y1bVaW0
    >>21
    面白いなぁ
    この手の物では亙のバーチャロンの話が一番好きだけど(エイジスの別名遺書)
    こういうのまとめた本とか無いのかな

    http://blog.livedoor.jp/goldennews/archives/51727569.html

[ 本帖最后由 chenke 于 2014-10-17 13:20 编辑 ]
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原帖由 asdqwe 于 2014-10-17 15:05 发表
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